イタリアの医療制度は世界第2位って、知ってましたか?

これ、実は信憑性のない適当な情報ではない。2016年に世界保健機構(WHO)が発表した各国の保険医療制度を評価したレポートによるもの。ちなみに1位はフランスで、3位以下はサンマリノ、アンドラ、マルタ、シンガポール、スペイン……と続く。ちなみに日本は10位。

イタリアの保険証、EU内共通で使えるってのがありがたい

じゃあ、さぞかしイタリアの医療は質が高いのだろうと思うかもしれない。だが、現実には必ずしもそうとは言い切れない。

イタリアでは体の調子が悪くなった場合、まずはホームドクターの診察を受ける。そこで精密な検査が必要になった場合は、紹介状を持って別の病院の予約を取り、検査を受ける。流れにするとこんな感じ。

  1. ホームドクターの診察を受ける
  2. 検査が必要な場合は、紹介状を持って別の病院の予約を取る
  3. 予約日に病院に行って、検査をする
  4. 別の日に検査結果を取りに行く
  5. 検査結果を持ってホームドクターを訪れ、検査結果や治療について相談
  6. 場合によっては2に戻り、以下エンドレス

つまり、診療と検査とが分かれていて、何度も足を運ばないといけないのでかなり面倒なのだ。しかもこの検査の予約、病院によっては「最短で3ヶ月後」なんてこともよくある。精密検査が必要なのに3ヶ月放置することにイタリア人が疑問を抱かないのか謎であるが、そんなに急ぎなら救急病院に行けというのが彼らの言い分なんだと思う。

ミラノではあまりないが、地域によってはそもそも最初のホームドクターの診察を受ける時も予約が必要な場合があるらしい。「インフルエンザで40度の熱があって苦しい」って診療所に行ったら「じゃあ3日後の予約でどう?」とかね。いやいやそれ治ってしまうやん。

先に紹介したWHOのレポートは、実は医療の質だけではなく「国民の健康度」とか「保健医療システムの平等性」などいろいろな指標を数値化して、医療制度が効率的かつ公平に機能しているかを評価したものらしい。そう考えれば、イタリアの医療制度がなぜ評価が高いのかなんとなく分かる気もする。
緊急の人は救急病院へ、そうでない人は予約をとってホームドクターへ。放っておけば治る病気は手を出さない。そういう意味では効率的な医療システムと言えるのかも。

ちなみに歯医者は保険がきかない。なので1本の虫歯を治療するのに100〜200ユーロくらいかかる。しかも治療に行くと「へえ〜日本ではこうやって虫歯を治してるんだ、すごい技術だね〜」とか言われて、余計に不安になる。

そんな感じでいまいち不安が残るイタリアの医療制度だけど、いい部分があるのも確か。寛容なカトリックの国らしく、緊急時は誰でも平等に医療が受けられるとか(滞在許可証がなくても、たとえ犯罪者でも)、ホームドクターの診療は100%税金で賄われていて無料で診てもらえるとか。

国が変わると、医療ひとつとっても大きく変わるものである。どちらがいいかは人によって違うと思うけど。