暑い暑い夏になると飲みたくなるもの。アイスコーヒー。
アイスグリーンティーも捨てがたいが、いつでも飲みたいという点ではやはりアイスコーヒーに軍配が上がる。うだるような暑さの中を長時間歩いたあと、冷蔵庫の中かと思うほど冷房の効いたカフェに入って飲むのがいい。
飲めばいいやんか、と思う人も多いかもしれない。イタリアには街のいたるところにバールがあるから、コーヒーを飲む場所には事欠かない。だけど残念ながら、イタリアにはアイスコーヒーが存在しない。
イタリア語でアイスコーヒーは『Caffè freddo』という。日本語に訳するとそのまんま「冷たいコーヒー」。だけどその実態は「熱いエスプレッソに大量の砂糖を溶かし込み、冷蔵庫で冷やしたもの」だ。すでに出来上がったものをポットに入れている状態なので、砂糖抜きを注文することもできない。
以前バールで「アイスコーヒーある?」と聞いたら、エスプレッソと氷の入ったカップが出てきたこともあった。違うのだ。入れ物は何でもいいけど、氷の浮かんだ冷たくて甘くないアメリカンコーヒーをストローで吸いたいのだ。1カップ30mlしかないエスプレッソにいくら氷を入れても、その欲求は実現できない。
そういえば近々、ミラノにスタバができるらしい。イタリアのバール文化に割り込めるかどうかしきりに話題になっているが、いわゆる「アイスコーヒー」が飲めるならぜひ通いたいところである。